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by morristokenji

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 すでに紹介したが、MorrisとBaxは「社会主義同盟」機関紙『コモンウィール』に、1886年5月15日から88年5月19日まで、2年の長期にわたって”Socialism from the Root Up"を連載した。論稿の最後に,毎回2人の署名があり、共同執筆であることが明らかになっている。
 また、政治団体の機関紙である点に留意して、毎回あまり長くならないよう数ページにまとめられ、全体が23章(ただし22章、23章は、それぞれ2節に分かれているので、25回掲載になっているが)に分けられて掲載された。そのうち第15章が”Scientific Socialism:Karl Marx"で、以下第21章”Scientific Socialism:Conclusion"まで、『資本論』を中心にマルクス主義が紹介されている。
 この論稿が、さらに2人の共著として、タイトルを”Socialism Its Growth and Outcome"に変更して、1893年に出版された。この出版については、一つにはMorrisは、それまでも雑誌などの論稿を著書にまとめてきたので,その例に倣ったこと。もう一つ、当時の社会主義についての論争について、2人の立場を明確にして置きたかったように思われる。エンゲルスなどに対抗する、もう一つのマルクス主義、科学的社会主義の一つの立場の提起である。
 目次を紹介すると、著作では「はしがき」が置かれ、続いてかなり長文の序論”Introduction"が、新たに書き加えられた。2人の立場の明確化には、まとまった序論が必要だったのであろう。
 論稿では、第1章から第3章まで、古代、中世、その崩壊、それぞれ概説されていた。しかし、著作では、この部分が7章構成に膨らみ、家族や共同体について、かなり詳しく論述されることになった。2人のマルクス主義の立場が、エンゲルスなどと異なり、「共同体的社会主義」として提起されたことから当然の加筆であり、補筆が行われたのだ。
 論稿の第4章”Modern Society :Early Stages"以下は、タイトル上も著作では変更がない。ただ、論稿の上記、第15章”Scientific Socialism : Karl Marx"が章として量的に大きく膨らみ、論稿の第21章までが『資本論』の紹介と解説として独立することになった。こうした取り扱いでマルクスの科学的社会主義は、『資本論』に集約されることになった。
 そのあと”Socialism Militant"および”Socialism Triumphant"の2つの章は、論稿ではそれぞれ2つの節に分けられていたが、著作ではそれぞれ章にまとめられ、節が無くなっている。
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by morristokenji | 2010-02-21 20:47